計算手法と出典
本サイトの例で用いる定義、不確かさの評価方法、データの出典をまとめています。
計算手法
固定次数:LO と NLO QCD
最低次では、選んだ過程に対する最も低い次数の寄与を計算します。その次の摂動次数には、仮想補正と実放射の QCD 寄与が加わります。これらを合わせると、適切な観測量について赤外有限な予測が得られます。固定次数計算とシャワーマッチングの枠組みについては、Alwall et al., JHEP 07 (2014) 079をご覧ください。
- LO (Born)
- NLO
パートンシャワーとのマッチング
横運動量の例では、Pythia 8 とマッチングした LO と NLO の計算を比べています。マッチングとは、固定次数の予測とパートンシャワーによる逐次放射を、両者の放射の記述が重なる部分を考慮しながら組み合わせることです。
閾値再総和
パートン閾値の近くでは、軟放射項が対数的に増強され、重要になることがあります。そこで近似 NNLO QCD と NNLL 対数精度の閾値再総和を組み合わせるのが、aNNLO+NNLL です。完全な NNLO 計算ではなく、適用できる過程も限られます。
不確かさの読み方
スケール変動により、繰り込み・因子化スケールへの残留依存性を調べます。7点包絡は変動を評価するための方法で、統計的な信頼区間ではありません。
PDF の不確かさはパートン分布の入力に由来します。モンテカルロ積分の不確かさは数値サンプリングの誤差を表します。各例には、実際にどの成分を示しているかを明記しています。
例とデータの出典
LO と NLO の図は、14 TeV での粒子対生成計算の記録に基づきます。K 因子の分母は LO の中心値に固定しています。シャワー後の分布には、100 TeV、粒子質量 1800 GeV での別の計算を使っています。不変質量分布の比は、13 TeV、粒子質量 1000 GeV での Resummino 計算の記録によるものです。
これらは、それぞれ異なる計算の例です。同じベンチマークを4つの摂動次数で計算したものでも、あらゆる計算に通じる精度の順位でもありません。
公表済みの参照結果
再総和を含む質量走査には、公表済みの 13 TeV 電弱対生成の参照結果を使っています。仮定は出典に記載されています。数値範囲は 200–1500 GeV です。網掛けは掲載表のスケール変動のみを示し、PDF の不確かさはデータ表に分けて載せています。
Fiaschi ほか、EPJC 83 (2023) 707、表 6をもとに再描画。CC BY 4.0。中心値とスケール変動は掲載表から転記し、レイアウトと書体を整えています。
参照図は公表済みの数値表から描き直したものです。ベンチマークの条件や不確かさの評価方法を詳しく調べる際は、出典の記述を確認してください。
ダウンロードできる例
計算のセクションの各観測量には、数値表、CSV データ、SVG の図を用意しています。CSV の見出しには単位を記載し、図にはラベルと出典の説明を残しています。
図の表示と検証
3D と 2D の主パネルには、同じ計算記録の値を使っています。奥行きは計算系列を見分けるためのもので、新たな物理的観測量ではありません。元の HwU 図の 2D 表示では、MC の相対不確かさと AUX 診断パネルも確認できます。
この固定次数計算では、CT18NNLO と MG5_aMC 3.5.17 を使い、粒子対の質量をスケールにしています。論文公表に必要な検証が済んだとは確認されていません。 検証の範囲を見る。
対象とする機能
Particael は、衝突型加速器のシミュレーションと解析を macOS 上で行うアプリとして開発しています。どの手法を使えるかは、選ぶモデルや過程、観測量によって変わります。提供開始の案内をご希望の方は、メール登録フォームをご利用ください。